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戦前の「日本軍」は民族のアイデンティティを重んじた。「世界の先住民に関する国際デー」に思う。

「日本軍」はなぜ世界から尊敬されているのか③

「先住民」固有の文化とは?

 

「先住民」固有の文化といわれて何が思い浮かぶだろうか?

 独特の宗教や信仰だったり、祭りなどの民俗芸能だったりと多様だが、特に重要性が高いものの代表格として「言語」が挙げられるだろう。

「国際デー」制定の60年以上も前から、民族固有の言語を地域内に広めることを教育政策の基本としていた戦前の「日本軍」は、その点では先進的な発想を持っていたといえる。

 また気候風土などの環境や独自の宗教的な理由などから伝統療法も、多彩なものが現代まで伝えられている。しかし一部は、それがあるおかげで民族が衰亡してしまうキッカケになり得る場合もある。

 例えば近年でも、国連によって最新の近代医療を受け入れさせるためのプランが進められたりしている。伝統医療への信頼と近代医療に対する不信をどう和らげ、適切な医療を受ける機会を増やせるか。

「先住民」に限らず世界人口の80パーセントが伝統医療に頼っているとされ、この問題は今日の最重要とされるテーマであり続けている。

 この点でも「日本軍」は時代の先取りをしていたといえる。近代的な衛生環境下での生活を送らせるため、保健衛生教育を地元に施すのは政策の基本だったからだ。現地では同時に風土病に打ち勝つための医学的研究を進めた地域も多く、そのために現地で創設した医科大学を活用する場合もあった。

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熊谷 充晃

くまがい みつあき

1971年生まれ、神奈川県出身。著述家。「日本史」では近現代史をはじめ、奈良朝以前の古代や戦国時代、「西洋史」では古代ギリシャ時代やハプスブルク家、「中国史」では春秋戦国時代や三国時代、ほか世界各地の古代文明などを中心に、気の向くままに歴史探求を続ける。著書に『教科書に載っていない!幕末の大誤解』(彩図社)、『世界文化遺産 富岡製糸場と明治ニッポン』(WAVE出版)、『テレビではいまだに言えない昭和・明治の「真実」』(遊タイム出版)他。


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